本物の仏像と仏師に出逢う 1
そもそも、「仏像とはいかなるものか」を、お話ししなければなりません。
読んで字のごとく、仏の姿を表したものです。
では、仏とは何でしょう。
それは天上界の天使、あの世この世の諸霊を導く指導霊のことです。
それを仏教では仏と総称しています。
その中でも、境地によって段階があります。
全ての執着を離れ、過去、現在、未来を見通す力を持ち、宇宙、森羅万象の因縁を知り、
全ての魂を善導する大指導霊を「如来」といいます。
修行僧の布、単衣の姿のゴーダマシッタルダ;お釈迦様の姿で表されます。
次いで、如来をめざし、修行の途上にある仏を「菩薩」といいます。
わが身を捨てても衆生の苦悩を除き、歓びを与えんと願われる仏のことです。
まだ、執着や煩悩が残っている象徴として、冠や飾り物を身にまとう、
出家前のゴーダマシッタルダ王子の姿で表されます。
また、お地蔵様のように、お坊さんの姿で表される菩薩もあります。
さらに、正法を守り、心正しい衆生を護る「諸天善神」がおります。
それらの徳を慕い、加護を願って、仏像が造られるようになったのです。
大切なことは、それらが空想の産物ではなく、
肉眼には見えないけれど、実在するものだということです。